2022/09/27 12:07
「銀製品はアレルギーを起こしやすい」と思われている人が多いですね。 実はそれが誤解なのだ、という事を書かせてもらおうと思います。
花粉症といっても全ての花粉に反応するわけではないように、金属アレルギーもどんな金属に反応するかは人によって違います。
一般にジュエリーやアクセサリーに使われる貴金属は「ゴールド」「プラチナ」「シルバー」ですが、ほとんどの場合それぞれ純粋な金、プラチナ、銀に他の金属を混ぜて合金化されています。 ですからアレルギーを考える時はメインの金属だけでなく、そこに混ざっている他の金属のことも考える必要があります。
「スターリングシルバー」とは、92.5%の銀に7.5%の銅を混ぜたものを指します。この配合が最も美しく、性質的にも優れた配合であることから「スターリングシルバー」という別名がついているのです。 ですから正式なスターリングシルバーであれば「銀」と「銅」に対するアレルギーを考えればいいという事になります。
この「銀」なのですが、一般に銀はアレルギーを起こしやすい素材だと思われていますが、実は銀にアレルギーを持つ人はほとんどいません。 意外だと思われるかもしれませんが、「金」や「プラチナ」そのものにアレルギー反応を起こす人はそれほど珍しくないのですが、「銀」ではほとんどいないのです。 厚生労働省の皮膚科のお医者様に対する「どんな金属に対するアレルギーを診察したか」という調査では、「銀アレルギー」の診断例は7年間で1件だけでした。 ちなみに金アレルギーは50件、プラチナアレルギーは27件、最も数が多いニッケルでは168件となっています。(H10~16年度) また同じ調査で「銅アレルギー」は18件と、これも数は多くありません。 ですから「スターリングシルバー」は金属アレルギーを起こす可能性が低い貴金属だ、といっていいと思います。
ではなぜ「銀のアクセサリーはアレルギーを起こしやすい」というイメージが広がっているのでしょうか?
それは一般に売られている銀製品にはかなりいい加減なものが多く、銀の純度の刻印が正確でなかったり、スターリングシルバーと表記していながらニッケルが含まれるものなどが流通してしまっているからだと考えられます。
ちなみに銀や銅にアレルギーがあるかどうかは皮膚科に行って「銀と銅に対するパッチテスト」を頼めばやってもらえると思います。
